差別反対主義者カイドウ
いらっしゃいませ、マドモアゼル。
本日はカイドウの素顔をご用意しております。
カイドウといえば四皇で、現在ワノ国を牛耳る悪の親玉です。
1043話ではルフィに勝利し、声高々にワノ国の民を奴隷として扱い、自分の国にすると宣言しました。
実はここに、不思議な矛盾が生じています。
お待たせいたしました。
本日のメインディッシュ
「カイドウは差別反対主義者」
でございます。
調味料と根拠を添えてお召し上がりください。
すぐに本題に入ります。
その矛盾点とは
ジョイボーイを目指していたこと
です。
1043話の象主の言葉で、ジョイボーイは解放の役割を担っていることがわかりました。
解放といえば、差別解放です。
800年前に世界政府と戦っていた何かが存在し、そして勝ち残った世界政府側には天竜人が存在します。
神と崇められる天竜人には奴隷文化が存在し、ONE PIECE後半では「奴隷」がテーマとなっているように思えるほど各地で奴隷文化が描かれています。
新世界に入る前、シャボンディ諸島で天竜人と奴隷の存在が明らかになり、魚人島、ドレスローザと奴隷問題が続きました。
そして、ロビンが飛ばされたテキーラウルフでも過酷な労働を強いられた人々がいました。
明らかに奴隷問題が大きく扱われています。
そこで現れたのがジョイボーイです。
誰がジョイボーイとなるのか。
そんな話題で持ちきりの現在ですが、私はカイドウがジョイボーイを目指したことに違和感を覚えました。
カイドウとアルベル(キング)がどこかの施設から脱走するときの一コマで、アルベルはカイドウをジョイボーイになり得ると期待していました。
そしてルフィに2度目の勝利後
お前もジョイボーイにはなれなかったか
とつぶやきました。
お前も?
自分も目指していたかのような一言です。
でもおかしいと思いませんか?
カイドウもアルベルもジョイボーイについてよく知ったうえでカイドウがジョイボーイになれると信じて、期待していたわけです。
でも今現在のカイドウの行いや言動を聞く限り、差別解放と真反対の存在です。
ジョイボーイとなる希望のかけらもない行いばかり。
意味がわかりません。
そこで考えたカイドウの素顔がこちらです。
カイドウは差別反対主義者。
自分がなり得なかったジョイボーイを誕生させるために手を尽くしていた。
というとんでも考察です。
つまり、一言で言えば実はいいやつ。
そんな考察の根拠を2点用意しましたのでお付き合いください。
前述の通り、今までの行いとジョイボーイを目指したことの違和感が大きいことも根拠の一つです。
その上で、その説を本当かも?と少し思える根拠が2つあります。
1、幹部の名前
カイドウには3人の強力な幹部がいます。大看板と言われるキング、クイーン、ジャックです。
ほぼ部下のドフラミンゴもトランプ関連でしたから、これはトランプだろう。
そして以前の考察レストランでも書きましたが、飛び六胞や真打ちなどもトランプゲームから付けられていましたからトランプだろうと思います。
しかし、これらを見てください。
①マーティン・ルーサー・キングJr.
アメリカの人種差別撤廃や公民権運動の指導者であり、言わずと知れた偉人です。
「私には夢がある」の演説は特に有名ではないでしょうか。
奴隷解放宣言から100年経っても黒人差別が蔓延るアメリカで、人種差別撤廃や職や自由を求めて声を上げた偉大な人物です。
そんな偉人はキング牧師と呼ばれています。
②ドラァグクイーン
これは、人物ではありません。
いわゆるLGBTQなどの同性愛者のことです。
さらにクィアと呼ばれる言葉は、LGBTQのどれにも当てはまらない性的な分類を含みます。
代表的な事件としてニューヨークで起きた「ストーンウォール事件」がありました。そしてその後、1960年代以降世界各地で行われたのがゲイ解放運動です。
性差別による取り締まりや偏見から解放という歴史があります。
③ジャン・ジャック・ルソー
フランスの思想家、哲学者です。
人は生まれながらにして自由・平等の権利をもつとして、現在の民主主義国家のような社会を提唱した思想家です。
代表作の『社会契約論』では、冒頭で
人間は生まれつき自由だが、いたるところで鎖につながれている
と書かれています。
これは日本でも中江兆民が文明開化に生かしたとのことです。
またこの社会契約論の一部は、フランス革命スローガン、アメリカ独立宣言、フランス人権宣言にも取り入れられるほど、世界の発展に貢献しました。
お気付きですよね。
大看板の3人の通称名と同じ名前をもつ偉人達に「解放」がキーワードとなるような者たちがいるのです。
キング牧師→人種差別
ドラァグクイーン→性差別
ルソー→平等主義
この名前をつけたカイドウに、実は裏の意味をもたせ、真の素顔を隠す尾田先生の技があるのかもしれません。
2、ワノ国奴隷宣言の強調
1043話で、ルフィに勝った後カイドウはやけに奴隷という言葉を強調して使っています。
予期せぬ勝ち方ゆえ、怒っているのか分かりますが、台詞の内容に違和感を覚えました。
元々もうワノ国は奴隷のような扱いでした。オロチが間に入っていたとはいえ、すでに奴隷のように扱われた人々に、奴隷だのなんだの叫ぶ必要があるでしょうか。
これ以上!?と驚かせたり絶望させたりしようとしたのかもしれませんが、私には「ジョイボーイにならないと救えないぞ」とルフィ?に忠告しているように感じました。
より絶望的な奴隷問題や差別問題を前にしないと、解放の役割をもつジョイボーイは現れないと知っていたのではないかと勘繰ってしまいます。
知っていたのであれば、もはやあれはジョイボーイ誕生のための演出になります。
カイドウ自身がなれなかったジョイボーイを誕生させるために壮大な計画をもって実行し、世界を思うカイドウの優しさが垣間見えているのかもしれません。
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